「間質性肺炎」とは

2015.05.19(TUE)

EGFR-TKIにおいて問題にされる「重篤な副作用」として、「間質性肺炎」があります。
発現する頻度は低いですが、万一発現した場合には、適切な処置を迅速に行なわないと、生命に関わることもあるからです。
実際、イレッサが日本で承認されて間もなく、間質性肺炎による死亡例が相次いで報告され、緊急安全性情報が出される事態となりました。


間質性肺炎は、肺胞が傷つくことによって肺の機能が低下し、酸素が取り込みにくくなってしまう病気です。
その結果、血液の酸素濃度が低下し、呼吸が苦しくなってしまいます。
肺胞の炎症の原因となりうるのは、薬剤だけでなく、アスベストの吸入や、自己免疫疾患によって起こることもあります。


医薬品が原因となるケースでは、大きく2つのタイプに分けられます。
ひとつは、医薬品そのものが肺胞を傷つけてしまって起こるもの。
こちらは主に抗がん剤が原因で、多くの細胞傷害性抗がん剤によって起こり得ます。
この場合は、薬を開始してから発症までの期間が比較的長く、数年経ってから発症することもあります。
肺の障害が、徐々に進行していくんですね。
ただし、EGFR-TKIだけは例外で、服用開始から2週間以内に起こることが多く、その理由は今もよくわかっていません。
ちなみに、イレッサによる間質性肺炎は、欧米人よりも日本人で発現率が高いそうですが、その原因もわかっていないそうです。


もうひとつは、医薬品に対するアレルギー反応が起こり、免疫細胞が肺胞を攻撃してしまうもの。
こちらの原因薬剤は、多岐にわたります。
抗菌剤や解熱鎮痛剤、抗リウマチ薬、抗不整脈薬、漢方薬や市販のカゼ薬で起こることもあります。
この場合は、服用してから1~2週間程度で発症することが多いとされています。


自覚症状は「空咳」「息切れ」「発熱」で、これらの症状が出たら早急にX線検査が必要となります。
ただし、熱は出ないこともあるそうです。
治療は、原因の薬剤を中止した上で、ステロイド剤を使って肺胞の炎症を鎮静化します。
早期発見・早期治療が重要です。


ちなみに、現在開発中の第三世代EGFR-TKIである「AZD9291」について、開発者のアストラゼネカ社は次のように発表しています。

▽2015年3月19日時点で、AZD9291投与を受けた1,000例超の患者さん全例のうち、約2.7% (27例) に間質性肺疾患 (ILD) 事象が報告されました。

▽そのうち、合計3例の患者さんにおいてILD (グレード5)による死亡と報告されています。


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ピッキー

Author:ピッキー
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調剤薬局勤務の薬剤師。
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私の体験が、同じような病気で苦しむ方々にとって、少しでもご参考になればいいなぁと思います。

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